1980年代を舞台にしながら2019年現代の問題を痛烈に切り取った素晴らしい作品。
「他人のことをもう少しだけ気にする」
過度な優しさや心配を求めているわけではなく、そこには自分と違う人もいるんだよという当たり前の事さえ出来ない現代社会に生きる人々に投げかけた強烈な問い。
声の大きな小数派に恐れてすぐ目の前にある問題に蓋をするのはなんの解決策でもない。
声を上げて、話を聞いて、否定も肯定も一旦置いとこう。
もっとずっと手前の人と人とが語り通じ共感するという、コミュニケーションの基礎の基礎をもう一度やり直そうというメッセージ。
この作品は公開前から“犯罪を助長する”なんて否定的な声もあったが、申し訳ないがそんな表面的な部分でしかこの作品を観られない人はそもそも映画に向いてないからMARVELでも観ててくれ。
私個人の意見にはなるが、この作品はむしろ人を優しくする作品だと思う。
人と接する時のふとした言動をもう一度自らを見つめ直すきっかけを与えてくれると思う。
私はそれこそ映画の力だと思う。
完璧な作品、ただただ涙が出た。
