このレビューはネタバレを含みます
クラウンがピエロになる瞬間を目撃する。
涙の訳は…
赤い鼻をつけて、道化けて人の喜ぶ顔をみたいアーサー。
ネタ帳への字の書き方や間違えから生活の苦しさ貧しさがわかる。
コメディアンとして憧れの相手に皮肉を含んだ自分の紹介をされてしまう。
クラウンから涙が流れ、道化の証の赤い付け鼻が消え、自らの鼻に赤塗りをする。
地下鉄を降りた時クラウンのお面を被りすて、悲しみは馬鹿にされてしまったピエロの怒りへ。
人を楽しませる事を目標にコメディアンを目指していた純粋な気持ちが。
悲しを含んだピエロへと変わっていく様
クラウンとピエロの違いは昔気になって調べました。ここの所の設定が絶妙で面白いです。
人間の奥深くに潜む闇を、何重にも重なるひだに触れ皮が剥がれていく様。
最後夢オチとも思えるシーンであるが、面白い事を思いつくも【誰にもわかりはしないという】呟きが切ないし、
共感を得たいこの思いは、誰しも感じる事である。
光へと進む赤い赤い足跡が、踏み入れてはいけない領域すら感じた。
妄想と現実の境目が消えていく。
デニーロに憧れたホアキンフェニックスがデニーロと対峙する。
ホアキンの役作りや演技のアプローチは恐らくデニーロのアプローチとは違うと思うが、2人が映るところは感動した。
ルパートパンプキンが人気コメディアンになっている。
映画へのオマージュもいくつか見られてそれはそれは楽しめました。
肩の上げ方とか仕草が女性ぽいなーと感じました。ホアキンフェニックスはいつになく軽やかで映画史に残る演技でした。
兎にも角にも、ホアキンフェニックス恐るべし俳優である。あの眼が忘れられない。