タガが外れ人格が崩壊する瞬間
泣くでも
叫ぶでも
暴れるでもなく
身を委ねるように
身体から染み出すように自然と舞う
まさに狂気乱舞
最高で最悪のカリスマ
ジョーカー誕生の前日譚
鬼気迫る演技と印象的なカットに惹き付けられ
特に正装し階段を下りるシーンには痺れた
世界観設定はDCコミック
バットマンのゴッサムシティだが
主人公の境遇は
現実でも起こり得る状況ばかりで
虐げられた者達は勿論
一般市民にも鬱屈した感情と孤独感が漂う現代社会
みんな仮面を付け本心を隠し笑っている
抑圧された日常を解放する代弁者としての悪のヒーロー像
今作の
余りにも強烈な印象は
自身の不遇さを
暴力で解決する行為を肯定しかねない危うさを感じ
今年のハロウィーンでは世界的にジョーカーが多く登場すると予想できるが
現実と妄想や欲望の境界線が分からなくなった者達の
暴力的な事件が起きないことを切に望む