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ジョーカーのaKirAのネタバレレビュー・内容・結末

ジョーカー(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

冒頭の革靴を広げる背中からもう胸を締め付けられる。あのシーンだけでもアーサーという男がどんな人生を送っているかが一瞬で理解できてしまうからだ。
世間から蔑まされ、それに対して反抗するわけでもなくただ実直に生きようとするが、それすらをも拒む現実。
極限まで追い込まれた彼が「覚醒」した時、不覚にも「美しい」と思ってしまった。
アーサー改めジョーカーはこの後どんな人生を辿るのか。成長したブルース・ウェインと対決するのか。個人的にはこの話の延長上にジョーカーとバットマンが対峙するイメージは湧かず、この物語はいわゆる「バットマン」とは別次元の話だと解釈している。
「犯罪を助長する」という声も分からなくはないが、この映画に限らずトリガーとなり得る作品は他にいくらでもあるし、むしろこの作品はアーサーというひたすらに悲しく、そして圧倒的に美しい男を鑑賞する映画なのだと思う。
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