アーサーの世間に対する憎悪の塊の笑いが響き渡る。彼は誰よりも笑い続けるのに、人生で一度も幸せに巡りあえない。チャップリンを観ていた時の笑顔だけが本当の笑顔にみえた。
彼にとってのコメディーとは。切ない。
カッコいいと思ってしまった私は異常者なのか。日本にジョーカーなんていたら。ってことはないが、自分もアメリカの国民のように彼を讃えるのかさえ少し疑問になってしまった。それもまた、妄想なのか。
ジョーカーが生まれた瞬間の階段で踊るシーンがいちばんカッコいい。
エンディングも尚、よき。
冷蔵庫のシーンのカメラワークもなんか好きだったなー。なんか。
孤独。全てを失う。
何も恐れるものはない。
笑いや表情の変化、顔に笑い皺がたくさんあるのに、それが不気味さを妙に漂わせる。ホアキン、herにしてもすごい俳優さん。
と、色々と考えながら映画館を出た私は、気づいたら男子トイレに入っていた。
私の中のアーサーがあの不気味や笑い声で笑っていた。ノック ノック…