芦塚あきひろ

ジョーカーの芦塚あきひろのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.8
池袋グランドシネマサンシャイン、IMAXシアターにて鑑賞。大画面が最高。全ての映画がここで見られたらいいのに。

そしてこのジョーカーという映画、とても考え抜かれ、丁寧に誠実に作られた映画だった。

書きたいけどうまく言葉にならないことは色々あるが、この作品から僕が受け取ったメッセージは、今のところシンプルだ。

社会と個人が包摂する力を失ったり手放したら、ロクなことが起こらない。
結局は隣人愛が、我々を守って救うのだ。それはロマンチズムやなんか、そういう良さげみたいなことではない。
社会を維持して、自分が生も幸せに生きていくためのほとんど唯一の方法なんじゃないの?そんなふうに思った。

僕にすれば明確なその結論をすっ飛ばして、暴力を誘発する恐れが云々とか言う人のことが理解できない。そりゃホアキン・フェニックスも嘆くよ。
とにかく丁寧で誠実に作られた、最高に面白い、いい映画だった。高校生とか大学生で暴力表現がまあまあ大丈夫という人たちは、授業で見ればいいと思うくらい。

職場の同僚である大学生の男の子が、この映画を観て泣いて、ものすごく感動しましたよ!と言ってきた時は、泣くような感動の仕方をさせる、彼の社会観や人生観が掴めず、そこを聞いてみたいと思った。
いつまでも語りぐさになる名作だったんじゃないか。映画館で観て良かった。
芦塚あきひろ

芦塚あきひろ