朱音

ジョーカーの朱音のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.0
例えば、、
「あの時こうすればよかった」とか「あっちの道を選べばよかった」とかそういった次元の話ではなくて。理不尽な世の中でアーサーはただ「人々の笑顔」「優しさ」「愛」というモノを求めていただけ。顔に張り付けた笑顔の裏では無表情な彼がいて、乾いた笑みを周りから向けられる。そんな彼は作品の中で1度でも心から笑っていたのか。「悪役」という印象の強すぎるジョーカーを彼の視点で観るとこんなにも辛くて切なくて、絶望しかない世の中でどうやったら笑顔でいられるのか。
ジョーカーを創り上げたのは間違いなく狂った世の中で、優しすぎるアーサーはジョーカーを演じるしかなかったのでは。
この作品の中での唯一彼を羨ましいと思えたのは「銃」。死にたいと思ったときに死ねると思えるからこそ生きていられる。そんな事を考えてしまった。現実とか妄想とかはどうでもよくて、「笑顔」を求めたアーサーの「無表情」がただただ辛かった。

ダークナイトとも繋がりの見えるストーリーだったのでどうしても「先」を想像する。今観たら、また違う印象になりそう。
そしてヒースがこのジョーカーを演じたらどうなっただろうって。
朱音

朱音