アナ

ジョーカーのアナのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.2
人が人生に対するモチベーションを失った時。

愛、夢、家族、恋...人を前向きにさせるもの、希望をもたらす何か。それら全てがたまたま不運が重なって、全てが消え去ったか、あるいは取り上げられたと思い込んだ場合。きっと誰にでもジョーカーになりうる。社会的な構造もそうだし、或いは人の心のどこにでも起こり得る、誰もがジョーカーと背中合わせになってるのかもしれない。

「マレフィセント」のマレフィセント、「スターウォーズ」のダースベーダー、「ウィキッド」のエルファバ。物語の悪役がいかにして悪役となったか、近年色んな作品で取り扱われていて、本作も「バットマン」のジョーカーがいかにしてジョーカーとなり得たかを描いているが、どの作品も総じて初めは人一倍純粋な心優しい少年(あるいは少女)。最初から悪役はいなくて、どこかで何かのボタンが掛け違えたのか、ダークサイドに転じるか、実は悪ではないか、と言った流れが主。そういう意味ではどことなく既視感があり、映画としては新鮮味が少し薄い。

世間の端役が、悪のメインキャストになる過程。
こういう作品は、結末は皆分かってるから、何が起こってどこがどう繋がっていくか、過程を傍観する様になる。

観る人によって感想は異なるんだろうけども、
ジョーカーが小さい人に、「俺に親切にしてくれたのはお前だけだ」と、危害を加えずに逃がすところと、「俺が道端で倒れてても、あんたら何も気にしないだろ」ってセリフが印象に残りました。

映画の構造として、全てジョーカーの妄想説とか色々あるけどそれは置いといて...
ジョーカーとなった時に、何かが振り切れていっそ楽になれたのかなと思った。
狂いたくても狂えずに苦しみを抱えている人はきっと沢山いる。

それと、ジョーカーの出自は一般人アーサーなので、映画の話を全て信じるとしたら裏世界仕切れるのかなと単純に思いました。そうなると、それまでのバットマンシリーズとはやっぱり別物のジョーカーなんだよね。
アナ

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