たた

ジョーカーのたたのレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
3.8
ねほりんぱほりん、というTV番組をご存じでしょうか

特異な人生観を持つ人や、裏社会で過酷な人生を送ってきた人、などを招いて、
山里亮太とYouがインタビュー・対談をするんですが、
その様子をすべて、かわいらしいモグラとブタの人形劇で再現してしまうという、恐ろしく手間のかかってそうな番組です。
スタジオの様子やカンペを見せるディレクターや再現VTRも人形劇という徹底ぶり。

人形劇というフィルターが、時には重たい内容を受け止めるためのクッションでもあるのですが、それで心の奥底にすんなり入り込んできてしまう怖さもあります。
人形劇は子ども向けのものという固定観念を覆した画期的な企画だと思います。

この番組にアーサーを呼んでくれたら面白いことになりそうだなーと。
あのショッキングなシーンも、人形劇で再現してくれたら、ある意味おぞましさも倍増しそうです。

なんでこんな話するかっていうと、
映画がまさにホアキンの一人舞台で、
それこそ一人芝居でも成り立ちそうだなとか、
それで舞台演劇ならどうなるだろうとか。
日本なら安田顕あたりが似合うかもとか。
ジョーカーという強烈な人物を掘り下げる表現方法として、いろんな手法で考えたら面白そうだなと思ったのでした。

ホアキンにあそこまで演られたら、もう他にジョーカーを演じられる俳優はいないだろう、
という声には大いに納得ですが、
だからこそ逆に、いろんな人のジョーカー、いろんな表現での掘り下げを見てみたい気もするのです。

・・・

楽しそうに笑いながら、踊りながら、階段を降りて行くアーサーが印象的でした。
あれが昇り階段だったとしても、ハッピーエンドにはならなかったのかな…
たた

たた