鮃サブロウ太

ジョーカーの鮃サブロウ太のレビュー・感想・評価

ジョーカー(2019年製作の映画)
4.0
開始20分で気が滅入った。でもそのお蔭で後は割とサラッと観ることができた。何か非常に狂気じみた雰囲気が醸し出されているが、小生はジョーカーはいたってまともな常人だと思う。
だから正直なところラスト30分の狂乱はいささかやり過ぎではないかと感じたし(その直前の元同僚たちとのシーンも何だか興醒めだった)、うわべだけの狂気や悲劇が先行しすぎた憾みがあった。
個人的な好みでいうと、孤独や絶望はもっと抑制的なタッチで描いてほしい。
物語の本筋とは関係のない部分だが、時代性を取り入れた演出に関しては大変すばらしく、くすんだ街並みやレトロなTVショーがとてもいい味を出していて、一連の惨劇をどこか肯定的なものにしていたのが印象的だった。