クリーム

ヘヴィ・トリップ/俺たち崖っぷち北欧メタル!のクリームのレビュー・感想・評価

3.7
12年間もヘヴィメタの練習してるのに オリジナル曲もライブ経験もなし。だけど、前向きで地味なロン毛の兄ちゃん達が奮闘します。端から観るとダサくて滑稽だけど、彼等は大真面目。駄目な彼等を応援しつつ笑いあり涙ありの青春ロードムーピー。北欧らしい緩さが良い。サクッと観れて楽しいコメディでした。

フィンランド北部の村に住む、25歳のトゥロは、介護施設で働く青年。“終末シンフォニック·トナカイ粉砕·反キリスト·戦争推進メタル”という4人組メタルバンドのボーカル。ギタリストは家のトナカイ解体を手伝うロットヴォネン、バンドの頭脳でベーシストは図書館勤務のパシ。 ムードメーカーのドラマーは生き急ぐ男ユンキ。ある日、オリジナル曲を作ろうと決心するのですが…。



ネタバレ↓



曲が出来ると、たまたまノルウェーの巨大メタルフェス主催者が現れ、テープを渡しフェス参加の連絡を待つ事に。フェスに出る噂が勝手に広まり村人達も彼らを見直し、フェス前にライブを披露する事になります。初のライブでトゥロは、観客を前に緊張しまくり、いきなりゲロ噴射。フェスも断られた。しかも車を取り返したユンキが不慮の事故で、本当に死んでしまった。これはショック。
トゥロは、警察のスピードカメラで撮った宣材写真のユンキを見て奮起、ドラムが叩けるという施設の患者オウラを拉致し、ヨウニにから、バンを奪ってノルウェーのフェスに直接向かいます。ユンキを棺桶ごと連れて行くのは笑った。そして、国際警備隊にテロリストとして追われ、崖から海にダイブとハチャメチャな展開で会場へ。
車盗んで死体を掘り出しテロ犯として追われ海を渡る一連の行動が、メタルらしいと評価され、トゥロ達は一躍スターに。ついにデビューライブ!とまさかの再びゲロ放出。しかし今度は、それも演出(違うけど)とデスボイスで叫び始めるトゥロ、それに続くメンバーたち。
さすがに最後は逮捕されますが、それさえも箔になるのだろう。

ユンキが事故で亡くなった時は、意外過ぎて、ウソでしょ?って思いました。一番華のあるメンバーだったのに…。そして、まさかの介護施設から突然暴れる患者オウラを仲間として連れて行くのもメチャクチャ過ぎて面白かったです。ゲロ噴射も警察沙汰もメタルバンドとしての箔になるって言う恐ろしく楽観的なユーモアに北欧の懐の深さを感じました。
宣材写真が、馬鹿っぽい撮影方法なのに凄くかっこ良く撮れてて、それも良かった!楽しい作品です。
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