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オーバー・ザ・リミットの磨のレビュー・感想・評価

オーバー・ザ・リミット(2017年製作の映画)
2.9
2016年リオ・デ・ジャネイロ五輪、新体操個人総合で金メダルを獲得したロシアのマルガリータ・マムーンに密着した記録映画。
実録版「セッション」とも言えるような作品。指導なんて生優しい言葉ではなく、精神的にやられるような罵詈雑言をひたすら浴びせるコーチ。ある意味衝撃的なドキュメンタリー。
ガン闘病中のマムーンの父親すら引き合いに出すモラハラBBAイリーナの執拗な追い込みに対し、常に表情の暗いマムーンをずっと見ているとこちらの精神もやられてしまいそう。そのぶんマムーンが恋人とイチャつくシーンにはホッとする。

あらすじにも書いてある「あなたは人じゃない、アスリートなの!」ととんでもない暴言を言っているシーンがあるが、その時言われたマムーンも脚が220度くらい開いており、さもありなんと思ってしまった(笑)

しかし、おそロシア。
近年話題のドーピングしかり、電子機器を使用する究極の不正をした1976年のボリス・オニシェンコの例を出すまでもなく、一般的なイメージとしてもロシアのスポーツ界には“勝つためならなんでもやる”という印象がある。いいイメージが全くないぶん、冷静に考えたらモラハラコーチの存在なんざ通常営業にも思えてしまったり‥。
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