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長いお別れのringoのレビュー・感想・評価

長いお別れ(2019年製作の映画)
4.0
偶然にもタイトルが似てるけど、
「永い言い訳」という映画の中に
“人生は他者だ” という言葉がある。

本人が自分の人生を忘れてしまっても、
他者がその人の生きてきた姿を忘れない限り、
その人はいつまでもその人でいられる。

本人は家族を忘れてしまっても、
どこまでも愛する夫に連れ添うお母さん、
いつまでも父を頼り褒められたい娘たち、
おじいちゃんと通じ合いずっと好きでいた孫、
周りが家族のことを想う愛は簡単に消えない。
みんなにとっていつまでも夫であり父であり祖父である。


認知症になった家族のことを、遠くに感じる寂しさや、気味悪く思ってしまう悲しさを、私は感じたことがあるから。
この家族はとても強いなと思う。
辛い現状も、受け入れたら少し光が見えてくる。
簡単なことではないけど、楽しむという捉え方もある。

家族をつくるってすごいこと。
両親や、祖父母のことを本当に尊敬する。
私の両親はあと何年、普通でいられるだろうか。
話せるうちに話して、学べるうちに学んでおかなきゃ。
そして今度は自分の手で、認知症なんかに負けない、そんな家族を築いていきたいなぁ、なんて。ちょっと大きな気持ちになりました。

メリーゴーラウンド、3本の傘、
お父さんの笑顔が忘れられないシーンです。
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