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長いお別れのkaoのレビュー・感想・評価

長いお別れ(2019年製作の映画)
3.5
大好きな山崎 努さん、
やっぱりイイ!『モリのいる場所』も流石だったが本作も圧巻。
旧友の通夜の席で、叫んだ一言、最高の弔辞にも勝る。泣けた。
お母さんに『そろそろ…』のシーンも胸打つ。フミちゃんのキッチンカーを目の前にして『お父さん、私、期待はずれだよね、これが今の私の仕事なんだ…』という娘に『立派!』その時の蒼井優さんの笑顔といったら!お姉ちゃん竹内結子さんもどこか教師になれなかったことをほんのり親には申し訳ないって思っている…。でも二人とも親から充分愛情をそそいでもらってきたよね。だからこそのメリーゴーランドのシーン。
子どもはいくつになっても親から『大丈夫。それでいいんだよ』って言ってもらいたいんだと思う。
デイサービスでも合唱の指揮をしたり漢字テストで満点にご満悦のお父さん。校長先生だったんだものね…。人はいろんな事がわからなくなっていく時に、やっぱり自分の人生において輝かしい時代の記憶が残るのかも。家族のことも忘れてしまうのはさみしいって思うかもしれないけど、私個人的にはボケるのもあの世に行く前準備としたらそう悪くはないかもと思ったりする。だって、あんまりはっきりした意識のままだと、大好きな人ともずっと別れたくないって思っちゃうだろうし、あの世に怖くていけないじゃん!

ラスト、金髪タカシくんの英語の大事なシーンだけ…ちょっと引っかかりが。うーん、Long good-byeという言葉を盛り込みたかった意図はわかるけど字幕で読ませるからかすぅーっと入ってこなかった。

そうそう、フミちゃんの勤務先スーパーのポテサラを味見した、いけてないおばちゃん、大好きな池谷のぶえさんを観れて嬉しかった!モリのいる場所の冒頭シーンでジュリーの歌を鼻唄で歌っていたあのかたです。
おばちゃん演じさせたら右に出るものなし。
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