ベルサイユ製麺

コード211のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

コード211(2018年製作の映画)
3.2
…私共は常日頃「ニコラス、変な映画ばっか出るなー。…まあいいけど」などと思っている訳ですが、普通の映画に出たら出たで「ニコラス、なんでこんな普通の映画に出るんだろ?…まあいいけど」と思ってしまう。つまりニコラスが映画に出るということは、それだけで割合好ましい事なのですな。…それにしても今作、普通だ。…まあいいけど。


Aグループ→病の妻と生前きちんと向かい会えなかったせいで娘リサから信頼を無くし、自身も塞ぎ込みがちの警察官マイク(ニコ・ケイ)。リサは同じく警官で自分の後輩であるスティーブと結婚し、妊娠も発覚したが、マイクはリサに祝福の言葉を伝えられない…。
Bグループ→大企業のCEOドノヴァンの身辺警護をしていた傭兵グループが、金を横取りしようとドノヴァンを殺害。彼の資産の一部が収められている銀行の襲撃を計画。
少年C→取り立てて訳もなく虐めの標的になっていた黒人青年ケニー。…防御のつもりで払った手がいじめっ子のツラを直撃し、問題化。学校側の提案で“1日パトカー体験乗車”という研修?を受ける事になる。

…で、皆さまは手元のチラシ、督促状の裏などに、先ず四角を、その中に[銀行]と書き込んでください。そこに矢印をギューンとBグループが突っ込んで、それからAグループ+少年Cが銀行に近づいて行って、バンバン!ドギュンドギュン!となる訳です!…多分脚本、台本にもこの絵が書いてあるだけだと思われます!だって、出演者もだいたいどう動いたら良いか分かるもんね。
あと、Bグループを追うインターポールの女性捜査官が出てきますが、あんまり居なくても問題なさそうな役なので、おそらくプロデューサーと知り合いとか、或いは酔ったニコラスが口約束したとかだったんでしょうね。

全体的にちょっと画は緩みがちですが、見れない程に酷いわけではありません。ストーリーも酷く破綻はして無いし、少年Cや、娘婿に感動的な見せ場もあって、且つマイクが自信を取り戻す展開など、押さえるべきところはちゃんと押さえられてもいて、結果至極無難な出来。しかし一番記憶に・心に残りにくい映画ってのはこういうヤツだとも思いますね…。ニコラスの演技は、一切脳細胞を働かせない普段通りモードです。まったりしてんなー。あーあ。


!!!!!!
とか思ってたんですけど!終盤物凄くドキドキする展開がありました!!…残りあと15分位しか無いにも関わらず、強盗の傭兵達も、警官隊やSWATも、まるで”まだ映画の折返し地点でございま〜す”みたいなテンションで居やがるのですよ!…お、おい⁉︎ホントにこれ終わるのか?まさか『バタリアン』みたいな終わり方で、奇跡の傑作誕生⁉︎…と思ったら、バタバタと駆け足で終わりましたー。多分ドンパチ代が足りないからサッサと切り上げたんでしょうね。いやあホッとした〜。そうそう傑作は産まれませんて☺︎
あと、ラストシーン!明らかにフェードアウトが一歩早いよ!どうしても80分台に収めたかったの?お気遣いいただきまして恐れ入りますー。
そして!タイトルの“コード211”!!…きっとなんか意味があるんでしょうネー。てへへ。