けんたろう

世界一と言われた映画館のけんたろうのレビュー・感想・評価

世界一と言われた映画館(2017年製作の映画)
5.0
佐藤久一さんと映画館グリーンハウスのはなし。


《有楽町スバル座》
この映画は「東京と同日公開していた地方の映画館」のドキュメンタリーなようで、この有楽町スバル座というのは、"本邦初のロードショウ"を謳っていた映画館らしい。
『世界一と言われた映画館』をこの映画館で上映する意味がジワジワ分かってきて、ぼくはパンフを読みながら静かに興奮。

さらに上映前にはグリーンハウスで流れていたという『ムーンライトセレナーデ』が流れていた。
どうやら有楽町スバル座は雰囲気作りから本気を出す映画館らしい。惚れた。


《世界一と言われた映画館》
初めに酒田大火の悲惨さが語られ、それを起こしたグリーンハウスを良く話すことはタブーとされてきたことがわかる。

…じゃあなんでこんな映画が作られたのかと疑問になるけど、それはグリーンハウスを愛していた人たちが数多くいたからだったようだ。
やっぱり素晴らしいものは愛されるし、愛されるものは尊い。

東京と同日ロードショーを敢行し、ホテルのように他とは格別の空間を味わえたグリーンハウス。
そこでは働く人、観る人全てに影響を与えていた。そしてそこには映画との出会いがあった。
映画館の仕事ってもしかしてこれなんじゃないか。
「観たい映画があるからではなく、そこで上映してるから観に行く。」
きっとグリーンハウスはこういう映画館だったに違いない。こういう映画館ってすごく素敵だ。

いろんな色を持った映画館は今もいっぱいあり、そのどれもが輝いていて、とても行きたくなる。
そういう中で僕は、かつて存在した緑の映画館にも行ってみたくなった。