いちごあんこ

十二人の死にたい子どもたちのいちごあんこのネタバレレビュー・内容・結末

3.7

このレビューはネタバレを含みます

■ストーリー
自死を望む12人が廃病院に集って、今すぐ全員で自死を実行するかしないか話し合い、1人でも反対の人がいた場合は全員意見が一致するまで話し合う。
12人それぞれの死にたい理由が徐々に明かされていきながら、本来いるはずのない13人目の死体の謎を解明していく。
最終的には推理好きなシンジロウ(新田真剣佑)が全部答えを導き出す。
さまざまな事情を抱えた集いの参加者たちに生きてほしいと考え始めたシンジロウは、この集いを中止する採決を取るように企画者に提案する。
すると、この短い集いの時間の中で心を動かされた全員が中止に賛成し、それぞれが日常に戻っていく。

■セリフ
シンジロウ
「自分の命は自分の意思で終わらせようと思った。でもそれなら生きるって決めることだってできる。自分の意思でいつか死ぬまで生きてやるって、ここに来て思えた。13人目が生きていると知ったとき、誰もが真っ先に救いたいって思ったよね。僕も同じ気持ちだった。それは彼1人に対してだけじゃない、ここにいる全員に生きてほしいって思った。」


■感想
映像作品としては見応えがあった。
12人が死にたい理由を明らかにしていくうちに、それぞれが他の参加者に対して生きてほしいと願うようになり、最後の集い中止の採決では、自分が死にたくなくて手を挙げたのではなく、ここにいる自分以外の参加者に生きてほしいと思ったから手を挙げていた。
自分は死にたいと思っていても、自分以外の誰かからは生きていてほしいと願われているということを伝えたいのだろう。
しかし、死にたいと思っている視聴者に生きる希望を与えたいという意図が丸見え。
母体の腹の中に子が宿っているモニュメントを見せるのは一度だけの方が効果あったかなぁと。
何度も映し出されたので、生きることをチラつかせようとしているわざとらしさが否めなかった。
生と死に対してキャストの行動や表情からその意図を読み取らせて考えさせるというより、
伝えたいことは全部セリフにして、視聴者に「はいどうぞ!」と答えを与えている感じ。
死に対してもっと思考を凝らしたかったというのと
死にたいという感情を全否定された感じがしたのでもう少しそういう感情を認めてほしかったというのが正直なところ。

あと、キャストが豪華で12人全員美男美女だった。
その身なりや表情から見てもとうてい死にたいと思っているような人たちには見えなかった。
きっと、日常で普通に見えても本当は死にたいと思っている人は少なくないのかもしれない。

ストーリー :★★★☆☆
演   出 :★★★☆☆
関 心 度 :★★★★☆
メッセージ性:★☆☆☆☆