qp

十二人の死にたい子どもたちのqpのレビュー・感想・評価

3.5
 廃病院の中に12人の若い安楽死志願者たちが集まります。全員賛成で安楽死を実行するルールですが、1人がすでに死んでおり、また1人多い状況で議論が始まり、という話です。

 最初から不穏な空気が続きます。安楽死するだけならすぐ終わりそうですが、謎の1名がいます。そのため、殺人鬼が1人潜んでいるのかと思いました。

 12人の怒れる男、12人の優しい日本人を思い出します。だんだんそれぞれの参加者の性格が分かっているところは似ていますが、部屋の外に早速出てしまいますし、回想シーンも含まれます。部屋の中だけで映像を完結させるのは難しいのでしょう。

 意外と真相が早く分かります。最初から不自然だった人が多いが、その中の1人ではありました。そして、それぞれのトラウマや理由が分かるにつれて、反対者が出てきますし、それぞれに嘘つく理由があります。

 最終的には繋がりますし、やっぱりと思うところもありました。でも、死にたい理由から自分が生きる価値がないと思うか、本当の自分の価値があると思うかなど葛藤があり、人数を減らして掘り下げてほしかったです。

 出てくる人全員が現実にいそうな等身大の若者です。個人的にはそんなことで安楽死と思いましたが、死にたいと思っている理由に重みはないことも頭に入れないといけないとも感じました。

 役者陣が豪華です。杉咲花は役でイメージをうまく変えてきますね。本作に関しては予告を観なくて正解でした。
qp

qp