現在は生放送で感想中の丈兄丸

十二人の死にたい子どもたちの現在は生放送で感想中の丈兄丸のレビュー・感想・評価

1.8
2019年1月26日に「こんな夜更けにバナナかよ」から続いて鑑賞。
約一年前の記録起こしなので、
記憶違いも多少ある”ざっくり印象”としてレビューするご無礼、お許し願いたい(定型文)。



私の鑑賞スタイルとして、気になってた・そうでないに関わらず、
基本予告や前情報は自主的には入れず観るために、
どんな映画も、作品タイトルと、スクリーン入口横にも貼られているポスターやパッケージだけで、
やむなくイメージを抱いたまま鑑賞してしまう節があるのだが、
この“死にたい”という言葉は、
個人的に凄く引っかかるというか、
少なくとも 多くの人の貴重な時間を使って作られ・また観られる映画という一大エンタメの中で、
『決して軽々しく使うべきではない』ということを、
今作を観て、改めて痛感した。


結論から言えば『“本気で”自殺したい奴らの物語とは思えない、パワータイトル先行で仕上げられたと思ってしまう、半端で表層的…ハッキリ言えば客をナメた群像劇』だった。

予告まで見てれば、少しは苛立ちも軽減できたのかもしれないが…
だとしても、そもそも集団自殺を動機に集まったとは思えないほど、
浅薄で不可解ゆえ感情移入できないキャラクターたち。

現実では同じ国の同じ十代・学生でも、
もっともっと苦しみ・追いつめられ、傍から見ても「そりゃ死にたくもなるな…」と同情せざるを得ない若者たちが溢れている今に、
こんな二次元的デザイン・派手“げ”なルックスだけで固められ、終始本気で自殺しに来たとは思えない言動のキャラたちに進められたら、
例え衝撃のミステリー劇が繰り広げられようと、とても素直に・心から楽しむ気にはなれないし、
正直肝心のミステリー・群像劇要素も、至極微妙だった。


個人的な引っかかりも含め、これが“死にたい”なんて大げさ且つ直接的なネーミングでなかったら、
少なくともここまで、どうしても許しがたい感想までにはならず、
一エンタメ映画として『微妙だけど、まぁ退屈はしなかったかな』という、スコアで言えば2.2ぐらいまでには上がっていたくらい、
全体的に詰めが甘すぎかな~…という印象だったかもしれない。


でも、改めて振り返ってみても、
何不自由ない生活を過ごしてきた自分でさえ何度も自殺を考えたことがあるのに、
もっと辛い思いをしている若者だって、注目するであろうキャスティングや方向性の今作において、
今作のネーミングもしくはそれに対する内容が、あまりにも軽薄だし、
虚構まみれのフィクションとは言え… いやだからこそ、
肝心のタイトルや売り出し方ぐらいは、もっと慎重というか実直・丁寧にしてほしかった。

今作自身のためにも、タイトルや売りを改めない限りは、
どれだけ良い考察や評論で解説されようと、
決して賞賛する気にはなれない… そんな一作だった。