原作小説が全51巻に及ぶ人気シリーズで、それを2時間の映画に押し込めるという力技のため、さわりの部分を強引に盛り上げたような内容になり、物足りない作品。
でも原作の良さは出ていて、娯楽時代劇としては及第点という所だろう。
ただ、一番魅力的でなければいけない主役がかなりイタイ。
キャラ的に「あ~、このタイプのキャラね」と大変分かりやすい主人公なので、正直松坂では表現できていない。
演技力もあるが、もう見た目がキャラから逸脱していて、小説ファンはかなり辛い所だろう。
女優陣は概ね美しさがハイレベルで、見ていて気持ちいい。
特に奈緒を演じた芳根京子は光っていた。
あと、柄本明の超オーバーアクトはここまでやれば一芸というレベルに達していて、俳優魂を感じることが出来る。
ここからが面白くなるのは明白なのだが、もし続編を作るなら主役交代しかないだろう。
余談。
基本的に「チャンバラ」している時代劇はイマイチ。
アクションは派手になるのだが、まったく刀の重さが伝わってこないので、全部「軽く」見えてしまう。
かたながかるいだけでなく、そこでやりとりされるはずの「いのち」や、きゃらくたーやてーまなど、すべてが
刀が軽いだけでなく、そこでやりとりされる「命」やキャラクターやテーマまでが「軽く」見えてしまうのが致命的。
黒澤×三船が残した名シーンをぜひ研究してほしいものだ。