けーすけ

居眠り磐音のけーすけのレビュー・感想・評価

居眠り磐音(2019年製作の映画)
3.7
2020/10/19(月) TSUTAYA DISCAS定額レンタルにて鑑賞。原作未読。ていうか小説は51巻も出ているのか…。

坂崎磐音(松坂桃李)は、3年間の江戸詰めの後に幼馴染みとともに故郷の豊後へ帰ったのだが、ある事件により2人の幼馴染を失い、祝言を間近に控えた許嫁の奈緒(芳根京子)を残して脱藩し、全てを失って浪人として江戸で細々と過ごしていた。
そんな磐音は、あるきっかけで両替商である今津屋の用心棒となったのだが、陰謀に巻き込まれてしまい、剣を手に取り悪と戦う事に・・・






堅苦しい時代劇ではなく、少しライトな感じで観られる映画でした。ただ、恐らく小説の数巻分の話をまとめたのだろうか、序盤の磐音が帰郷してから悲劇が起きるまでの展開が早く感じたので、もう少し幼馴染み3人の仲良しエピソードが欲しかったところ。


こういう時代劇ものでは「登場人物が多くてよくわからん!」問題もありますが、一応テロップで役割と名前が表示される親切設計。まあ、それでも途中わからなくなりましたけどね・・・。
でもご安心を、「悪い奴は、悪い顔!」でだいたい判別できます!笑

あとはメインの話が貨幣流通の内容となっており「南鐐二朱銀(なんりょうにしゅぎん)」という銀貨の名前を押さえておけばOK!
この南鐐銀が8枚あったら金1両と交換できるのですが、悪い奴らがニセ南鐐銀を含ませバラまいて金1両の交換比率を操作する、というお話。
南鐐銀とう単語が聞き慣れないので脱落しそうですが、両替にまつわるシンプルな内容なのでそこだけ知っておけば大丈夫かと。



磐音が両替商・今津屋の用心棒になるくだりも、何かと面倒を見てくれるおっちゃんの金兵衛(中村梅雀)が「用心棒探してたろ、連れてきたよ~♪」と今津屋に連れていくが「既に4人見つかって雇ったよ~、残念っ!」となった所に荒くれ者達がやってきて暴れるという超ベタな展開。その後は想像通り!
こういう超絶にベタなのが大好きな僕はそのシーンで泣けました←




周りを固めるキャストも豪華。
佐々木蔵之介の無駄遣いからはじまり、杉野遥亮、陣内孝則、谷原章介、中村梅雀、そしてピエール瀧が例の件で奥田瑛二に差し替え&再撮影とう、、。
同時出演は無かったですが柄本明と柄本佑が出演しているというのがアツかったですね。

柄本佑は前半で去っていきますが、インパクトある演技でした。ただ親父の柄本明が怪演すぎて壮絶で…笑。彼の最期のしぶとさは涙ではなく笑い無しには見てられませんでした。ほんと凄すぎ。


主演の松坂桃李、安心して見てられる存在感。剣の腕はあって強いけど、超人的な描き方ではなく、やられて傷を負ったりもする普通の強さを表現していたのも好印象。ただ、本当なら冒頭に帰郷した際に起きた事件で相当な心の傷を負っているはずなのにその辺りの描写が弱かったかな、と。


磐音の許嫁である奈緒を演じた芳根京子もやっぱり良い女優ですねー!御家取り潰しとなり暮らしが厳しい中、お上のある人物から「妾にならんか」と提案をされるのですが、そこの演技(表情)にはゾクゾクでした。そして終盤で再び磐音の前に登場した際の目力・・・。

磐音を何かと気にかける“おこん”(木村文乃)も良い存在感で映画を引き立ててました。
磐音と奈緒の純愛物語かと思いきや、、、という匂わせが続編を期待させます。


気負わずに観られて楽しめる時代劇という感じで、よかったです。

[2020-159]
けーすけ

けーすけ