まあ間違いはないだろうなと思って見始めたら間違いのなかった作品
貧しく寒く閉鎖的な世界には不釣り合いなくらいに
利発で創造力豊かな少女アストリッドが、大人になる中で
二つ以上ある地獄の中からマシな方を選び続けることで自ら選ぶことを覚え、
結果的に少しずつ開けていく道の物語
現代人の感覚で
社会通念上望ましいことも、望ましくないことも同じくらいの距離感で描いている中
「がんばれアストリッド!!それでいいんだよ!!!!」と思えるような選択を主人公が取る度に
少しだけ未来がひらけていくような小さなカタルシスが重なり
先行きのない閉塞的な人生への憤り
若さゆえに性愛に踊らされる浮かれた熱病
間違った選択をしたことを認め、自分を取り戻す時の地に足がようやく着く触覚
半身をもがれるような痛み
それぞれを主人公と共に歩むような感覚を味わえます
あえて結末を描き切らないことで余韻が穏やかなものに仕上がってるのも良