Yukenz

パリ、嘘つきな恋のYukenzのレビュー・感想・評価

パリ、嘘つきな恋(2018年製作の映画)
3.7
障がい者にとって一番嫌なのは、健常者でないことを不憫に思われたり、必要以上に気を使って接せられることなのではないだろうか。

私が高校生の時に交換留学生としてアメリカの家庭にホームステイしていた際、ホストファミリーの長男が小児麻痺により手足が不自由で歩行には常にステッキが必要だった(ブレイキングバッドのウォルター・ホワイトJrの状況とよく似ている)。
彼は既に高校を卒業し職業訓練を受ける為に家を出てガールフレンドと一緒にアパートで生活していたが、週末にはよく実家に遊びに来ており、本人も家族も友人も彼を当たり前に受け入れ普通に接していて、変に気を使うことはなかった。
高校には比較的重度の高い障がいを持つ生徒たちのクラスがあり、他の生徒たちも普通に言葉をかけ、彼らをケアする授業もプログラムに組み入れられていた。

障がいはその人のひとつの個性であり、個性とは唯一無二のものであるということを体験を通じて学んだ。

本作品について言うと、フロランスの生き方がとても素敵だった。自分を理解し受け入れ、チャンスを掴む為には全力で臨む。
そして障がいを持つアスリートたちが声高に「自分を受け入れて!」と発する姿を見て、パワーを与えてもらった気がする。

自分が抱くコンプレックスを気にし過ぎることなく、自分は自分として、それを個性としてしっかり受け入れて前に進んでいかないとね。
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