山口組田岡親分のもと、若頭を務めたヤマケンとボンノの対立をモデルに映像化。時期的には大阪戦争と映画でいえば「北陸代理戦争」の後の時期、ボンノ破門、鳴海清の組長狙撃事件での大阪戦争再燃をいかに小沢和志演じる若頭が乗り切るか。一巻ものと思って借りたら、どうも様子が違う。神戸国際ギャングといわれた闇市時代の回想など流用っぽいし、ボンノ確か本家に詫び入れに来るんじゃなかったっけ、とか思っていたら、本作、ボンノならぬ権藤役の清水健太郎逮捕でオクラ入りになった「実録絶縁」の完結編を撮り補って数年後にリリースという事情みたい…。

「日本一の親分に日本一の子分は二人もいらんのや」と意気込むスキンヘッドの小沢兄貴はジャケだけでも迫力あり過ぎだが、真っ向から受けとめるべき相手が画面中に不在では空回り感。権藤側の幹部として寺島進が力んでもやはり、仕方ないのであった。

あとこれは本作にかぎったことではないが、鳴海清の話など何度も映像化され、またですか感が先立つ。少なくともすでに映画「激動の1750日」などがある山口組と一和会の抗争より後の話、もっと現代に近い話が観たいんだけどなぁ。マンガ「代紋TAKE2」がほめ殺しの皇民党事件を描けなかったようにいろいろ差し障りはあるんだろうけど。

7,8割ナレーションで物語進むし、シンプルにあんまり面白くはないかな

スキンヘッドの小沢仁志は迫力ある