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ティム・バートンのコープスブライドのNMのネタバレレビュー・内容・結末

3.8

このレビューはネタバレを含みます

何度目かの視聴。
冒頭はなかなか世界観に入り込めなかったが、段々深い話になっていき且つ爽快な展開になるので鑑賞後はすっきりする。

ビクターは気の優しい青年。いい意味でも悪い意味でも。
両家の身勝手な親どうしが決めた結婚をすることに。両家の両親は四人とも金と名誉が大事で愛などどうでも良い。子どもを縛り付け、したいことを何でも否定する。

お相手の女性ビクトリアはビクターと同じ境遇だったので共感し合えるしとても素敵な人だった。
すっかり乗り気になったビクター。

夜、ひとりで誓いの言葉を練習していると、突然不気味な女性が現れ「お受けします」と答え、お化けたちの集う宴会に連れて行かれた。
このお化けエミリーは生前に婚約者に財産を持ち逃げされ失意のまま生涯を終え、幽霊になってもそのまま長い間本当の愛を誓ってくれる相手を待ち続けていたのだという。
ついに理想の王子様にプロポーズされたと思い込んだエミリーは舞い上がって喜び、聞く耳を持たない。

はっきり断れない性格のビクター。
エミリーは悪い人ではないがビクターには愛し合う婚約者がいるし、そもそも死人と結婚するわけにいかない。
しかし悲しい顔をされるとビクターはつい慰め励ましてしまう。

はっきり断れないビクターは嘘をついて逃げ出し婚約者ビクトリアの家に駆け込む。
追ってきたお化けエミリーはそれを見て怒り、ビクターを連れ去ってしまう。
ビクトリアはそれを助けるべく勇敢にも家を抜け出すが、連れ戻され家に監禁される。彼らには味方がいない。

昨日から、来る日にちを間違えたと言ってビクトリアの屋敷にやってきて結局居座っている謎の男、バーキス卿。
僕なら彼女に贅沢させ幸せにできるのにと語ると、両親は彼と結婚させることにした。

ビクトリアがバーキス卿と結婚を決めたと知りショックを受けたビクターは、お化けエミリーと結婚するため死の毒薬を飲むことを決める。

エミリーは良い人だし悲しい思いを抱えていることを知っているので、他のお化け仲間たちは結婚を泣いて祝福する。ビクトリアとの結婚のときとは大違い。

だがいざとなるとエミリーは、ビクトリアに自分と同じ境遇に合わせるわけにはいかないと気づき、ついに結婚を諦める。

バーキス卿は実はこの家に持参金がないことを知るとビクトリアを一旦捨て去っていった。
しかし再び式に戻ってきてお化けエミリーと再会。そう、結婚式の当日エミリーを殺したのはこの男。
ワイン好きらしい詐欺師バーキス卿はビクターの飲むはずだった死の毒薬をそうとは知らず勝手に飲み、無事お化けたちに連れ去られていった。

この世に残した恨みと念がすっかり消えたエミリーは、悲しみと辛さから解放され、ついに旅立っていく。ビクターとビクトリアはその夜空を見つめる。

思ったほど歌い踊るシーンは多くない。
海外らしい趣味の、目玉が飛び出るとか芋虫やクモがという描写は個人的にはアニメであっても得意ではないが、段々見慣れた。
天国でも地獄でもない、その前に一旦集まるロビーのような場所。それがこのお化けたちのいる場所のようだ。

あとそもそも好きな人がいながら断れなかったり腹いせで結婚しようとしたりするビクターの行動は意思がなさすぎて好みではない。
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