つけめん

ティム・バートンのコープスブライドのつけめんのネタバレレビュー・内容・結末

3.9

このレビューはネタバレを含みます

【話】ストーリーや原作の良さ
4.0

【演】演出(音含む)。カメラやライトなど画作りの印象やビジュアルの感動
4.0

【独】独創性、個性、ユニーク
4.0

【転】裏切り、意外性、驚き、衝撃
3.5

【満】時間×コストに対しての満足感。
没入感や感動、興奮や体験の満足度
4.0

合計値÷5

合計スコア3.9
評価時点でのみんなのスコア3.7

■感想
ティムバートン作品見たさで鑑賞。
1時間半程度で話が綺麗に構築されていていて楽しかった。
ストップモーションと言うからさらに驚き。

ひょんなことから地上の結婚相手と死者の結婚相手との三角関係になってしまったヴィクター。はじめはどう元の世界に戻るかに奔走するが、エミリーが現実を受け入れてからは自分がどうしたいかと言う行動で物語が転じていく。
但し真にどうしたいかと言う自分の欲求と言う意味では決してなく、流れだけを見てしまうと信念的な一貫性はないように感じる部分も。現に死者の世界でエミリーと一緒になる事を決心・覚悟した後に最終的にはヴィクトリアと一緒になる。
思うに、エミリーと一緒になる事を覚悟した背景には、エミリーを知る中でどうしてあげたいかと言う自己犠牲が少なからずあったのではないかと感じた。即ちそれは彼女を死者(肩書き)で括らずに彼女の本質と向き合う様になった事の表れであり、その変化がもたらした行動に慈悲や愛、優しさを感じた。
また結果として、エミリーもそうした彼の優しさに触れ尊ぶ気持ちが芽生えた事で、(またヴィクトリアの気持ちを再認識する事で)最終的に彼の幸せを願っての決断をした訳だが、コレもやはり自分が幸せになる道ではない自己犠牲で成り立った結末であり、そこにはやはり愛情を感じた。

本作では死者とその世界にフォーカスされており、途中のミュージカル調になる所で歌われていたように、死に対することを決してネガティブな事として表現しておらず、絵作りに於いても、生者の世界のビジュアルが意図的に彩度の低い世界観になっていた事に対し、死者の世界の方が色とりどりの色彩で表現されており、本来明るくないはずのモチーフを、ポジティブに表現して独自の世界観、ひいては独自のエンターテイメントを生み出すと言う意図を感じた。
(これは近しいところで、のちに生み出されるリメンバーミーの色彩豊かな死者の世界にも通ずる絵作りに感じた)
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