真田ピロシキ

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREYの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

2.8
好きなハーレイを持ってしても最早ろくに集中できないほどアメコミヒーロー実写は興味のないジャンルになった。もうヴェノムちゃん以外無理説。ヴェノムちゃんはひたすらキャラ萌えというかカプ萌えで見てられる。この映画もポイズンアイビーを出してマイ3大推しカプの一つであるハーレイアイビーでやってくれたら真面目に見てただろう。一応全員知ってるけどモントーヤやキャナリーやハントレスに興味なんかないよ。

見る前から最大の懸念点だったのがこの映画がDCEUに属していることで、つまりあの最低なエアー版スーサイドスクワッドで描かれたロビンを始め多くの人を遊び半分で殺したハーレイだということ。オリジナルのハーレイもそうなんだろうがその辺は上手くボカされてるのに対してこれは明確なので、そんな奴にポリティカルコレクトネスを説かれたとしても「うっせ。人殺しのクズ女」としか思わない。他の映画を見るよう強要する癖に都合良く他の映画のことを忘れなければいけない映画だったらどうしようと。しかしそこは取り越し苦労でハーレイはちゃんと悪い女で悪い奴らと争う。正義ヅラなどしない。だけどスカッとしてて好感の持てる悪女。これなら見れるね。説教臭くないエンパワーメント。

しかし強い女性像があまり面白いものとも思えず。これで描かれる強さがそれぞれ手段こそ異なるが暴力で敵をやっつけるばかりで、男性アクション映画の強さを入れ替えたに過ぎない。それじゃ忌むべき有害な男らしさを踏襲してるに過ぎないんじゃないの?所詮アメコミヒーローはそういうものだという思いが以前からあって、バットガールのバーバラ・ゴードンがジョーカーに下半身不随にされた時にバットファミリーの通信を一手に担うオラクルとして活躍していたのに、治ったら野蛮に殴り合うバットガールに戻ったのがそういう形でしか強さを表現できないってことなのでは。オラクルの方が量産ロビンよりずっとユニークで変えの効かない役割なのに。本当に女性の強さを描きたいのならば男性の考える強さに従ってはいけない。それができてなかった本作は大したフェミニズムとは思えません。

しかも暴力的な割にろくに血も出ない優しい表現なので汚い言葉を使っても見せかけだけ。デッドプールのようにメタに喋っても中身は雲泥の差。ハーレイの漫画を何冊か持ってるけど、そっちはもっと下品でバカバカしかったよ。そう言えばビーバーは漫画にいたね。実写ハーレイがようやく成功したのは下品な新スーサイドなのだった。2時間未満なのは良いところ。ところでアイビーは?アイビーが出たらこんな微妙なシリーズでも見るよ。スーパーヒーロー カプ萌えマンですので。