アキヒロ

ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PREYのアキヒロのレビュー・感想・評価

3.4
悪党界もついに「女性参画社会」へ!
フェミニズムもついにこの業界まで…!

活躍するのは全部女性!
本作のヴィランは男性社会を根城にする金持ちマフィア「ブラックマスク」。
富・暴力・男社会、すべてが"女の敵"。
ブラックマスクは機嫌が悪いとき、笑っていた女性を見て怒鳴りつける。
「テーブルに乗って踊れ。そして脱げ」
女性を消費するものとしてしか思っていない。まさに本作にふさわしいヴィランとなっている。

「あなた、ジョーカーを知らないの?」
「クソ野郎じゃない」
ハーレクイン(女性)を食い物にするジョーカー(男性)は、本作ではおよびでない。
ハーレイが唯一信頼していたドクも、大金を積まれてハーレイを売ってしまう。
「仕方ないよ。ビジネスさ」やはり、男のビジネス(仕事本位)を槍玉にあげている。

警官のレニーも「女性だから」という理由で同期の男性の方が出世している。
なぜ自分より劣る彼が出世街道を行くのか?レニーは本心で怒りを燃やし、なんとか手柄を立てようとしている。
つまり、本作では「女性は男性に搾取されている」という構造を批判しているのだ。

だからこそ、女の子も警官も道化も殺人マシンも一致団結。
憎むべき男性優位社会(ホモソーシャル)に立ち向かうという、作風は違えどほぼ『バービー』と主張は一緒だった。
そして、そういう映画にマーゴット・ロビーはよく似合う。

面白かったけど、女性陣のアクションシーンがややぎこちない。
特にレニー役の人は年もあるのか、バタ足で速そうに動けないのが致命的。
アキヒロ

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