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ポーラー 狙われた暗殺者のRのネタバレレビュー・内容・結末

ポーラー 狙われた暗殺者(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

自宅で。

2019年のアメリカ/ドイツの作品。

監督は「ロード・オブ・カオス」のジョナサン・アカーランド。

あらすじ

国際的な暗殺請負会社ダモクレスに所属していた「暗黒の皇帝(ブラック・カイザー)」の異名を持つ、元殺し屋のダンカン・ウィズラ(マッツ・ミケルセン「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」)は2週間後の引退を控える中、一人引退後の住居として用意していたモンタナ州の寒い小さな町で暮らし始める。一方、父の跡を継いで、ダモクレス社の社長となった放蕩息子のブルート(マット・ルーカス「レ・ミゼラブル ザ ・オールスター・ステージ・コンサート」)は多額の負債を解消するために引退する暗殺者が受け取る予定の莫大な退職金や年金を狙って、かつての殺し屋たちをヒルデ(フェイ・レイ)率いる若い殺し屋チームに狙わせていた。そんな中、ダンカンにもその魔の手が刻一刻と近づいていく。

Netflixにて、独占配信作品の中でも割と初期に配信され、現在公開中の「インディ・ジョーンズ」最新作でもインディと対峙するヴィランに抜擢されるなど、「北欧の至宝」としてノリに乗ってる、俺も大好きなあのマッツ・ミケルセン主演作ということでずっと気になっていてようやく鑑賞。

お話はあらすじの通り、所謂「なめてた相手が殺人マシーンでしたもの(©️ギンティ小林)」、特にキアヌ・リーヴス主演の大ヒットシリーズ「ジョン・ウィック」をかなり意識した内容となっている。

あちらも奥さんを亡くしたかつての伝説の殺し屋のお話だったけれども、こちらは既に齢60を迎え、殺し屋としても引退した身という、細かくは違えど重なる部分も多い。

しかも、ジョン・ウィックはかつて「ブギーマン」と呼ばれていたのに対して、こっちのマッツの異名は「暗黒の皇帝(ブラック・カイザー)」!!だかんね。厨二度も更にアップしている(マッツの異名としてはこれ以上ないほどマッチしていて面白すぎる笑)。

ただ、作り手もそこはかなり意識しているのか、ジョン・ウィックと同じく、隠居先の寂れた田舎町で主人公ダンカンが子犬を成り行きで飼うんだけど、初日で寝ぼけて撃ち殺してしまう。

つまり、これは「ジョン・ウィックとは違いますよー」アピールか、にしてもそれでワンちゃん殺さないでよ!!

で、そんな今作、ブラック・カイザーそのまんまの黒い衣装に身を包んだダークトーンのマッツをはじめ、絵に描いたようなボンボンのダメ息子なボスのブルート(フィリップ・シーモア・ホフマンを彷彿とさせる白ブタ感!!)、若い殺し屋チームとこの手の映画につきものな個性豊かな殺し屋たちが登場するんだけど、その登場の仕方も名前が効果音共にバァーン!とフォントで出てくる、絵的にかっちょいい演出もあり、タランティーノとかガイ・リッチーみも感じさせるつくりなのが面白い。

敵チームで言うと、色仕掛け担当のシンディ(ルビー・O・フィー「アーミー・オブ・シーブス」)が美人局的なお色気担当ながら、女の武器全開のエロエロな感じでちゃんとアクションもしてるところが印象的で良かった。特に後半でのマッツとの濃厚なベッドシーン。結局脱がないのかなーと思っていたら、そこでは豪快なフルヌードを惜しげもなく披露してくれ、そのまま全裸でマッツとの激しいアクションに転じていてすごかった!

で、肝心のアクション要素に関しては、意外と控えめで序盤の暗殺者チームによる、ジョニー・ノックスヴィル(「ジャッカス FOREVER」)演じるかつての殺し屋の暗殺以降はダンカンの隠居生活とそこで知り合う隣人カミーユ(ヴァネッサ・ハジェンズ「キッド・カディ:Entergalactic」)との関係性の築きに注力して、アクションは割と控えめ。

ただ、遂に殺し屋チームがダンカンを狙う凍えるような夜のシーンからは上述のシンディのシーンから始まり、そこから全裸のマッツが、先ず斧でシンディをぶっ殺し、屋内から瞬時に敵スナイパーの背後に忍び寄ってぶち殺し、そこから追ってきた敵を返り討ち、そして残るヒルデは暗視ゴーグルで冷気で白くなった吐息だけで場所を察知し、ワンショットキル!!

で、そのまま白ブタブルートの本陣に乗り込もうとするものの、ダンカンと同じ引退した殺し屋のピーター(リチャード・ドレイファス「ハンターvsハンター」)の罠にかかり、囚われてしまう。

ただ、そこはやはり伝説の殺し屋、ブルートの残した小さな刃物のかけらを使って脱出、敵兵士の大群を相手に裸一貫で死闘を繰り広げる。ここは敵兵士がモブな分、狭い通路を数で繋ぐ中、敵の死体を盾にしながらテンポ良くアクションを繰り出しており見応え抜群。

で、なんとか瀕死でかつての恋人で武器コレクター?のジャスミン(アイーシャ・イッサ「ハミングバード・プロジェクト」)の元に辿り着き、介抱されるんだけど、白ブタの拷問で片目を失ったダンカン、ここで遂に黒の眼帯を装着するんだけど…いや、似合いすぎだろっ!!明らかなラスボス感とおよそ海賊かスネークしか似合わないだろう、眼帯がちゃんとトレードマーク的に似合いすぎて怖い、怖すぎるっ!!ブラック・カイザーの異名と相まってレジェンド感パネェ!!

そして、その後、またも追手の兵士たちに囲まれるんだけど、ジャスミンから頂戴した遠隔操作の手袋を大群に向けるとサイドに構えたガトリング銃で一斉射撃で瞬殺、いや強すぎ〜!!

で、残す白ブタもこれまでの観客の溜まったヘイトを逆手にとり、あえて「その瞬間」を見せずにファーショットからの窓バリーン、生首ゴローンのインパクト…ざまぁ!!

まぁ、そんな感じで絵的な見せ場は特に後半にかけてギアがかかってくるものの、マッツ待望のアクション主演作にしてはやはりおとなしめに感じてしまう部分は拭えず、特にカミーユとのシーンでちょくちょくトーンダウンしてしまうのは残念。敵チームもマッツに匹敵する強敵がいなかった分、もう少し苦戦するボスキャラを配置しても良かったんじゃないかなー。

ある意味「因縁」の相手とも雪解け、新たなパートナーと新たな戦場を予感させる続編ありありのラストで終わったけど、配信も4年前か…。マッツも忙しいだろうし、続編は期待できないんかな。個人的にはまた眼帯マッツが観たすぎる!!
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