ニコール・キッドマン初の刑事役。と言っても、サスペンスや推理物とはちょっと違った。
これはラブロマンスだったんだと。
男女のラブロマンス、親子のラブロマンス、自己愛のラブロマンス。
結構そういうものを失ってきてしまった主人公エリン。自己愛の部分は割と置き去りで、ストーリー上もほんの僅かしか描かれない。
自分が傷ついたことよりも、他人を傷つけたことの方が気になったりするもんね。案外人は何とも思ってなかったりするんだけど。
とにかく、そんな心性を持つ中年刑事を、キッドマンが老け顔メイクで体当たり演技。物事に対し「事件を追う/解決する」という形でしか表現手段を持たないのは、刑事の性か。その心性のせいか。
ラストの趣向はそれなりに効いていて、そこでようやく腑に落ちる。
刑事物じゃないって思って観れば、そんなに長く感じないかも。中々解決しないからね。そんな簡単には解決しないんですよ、ノンエンタメ・ラブロマンスは。
関係ないけど、最近野良犬って見ないなぁ。