スポック

アド・アストラのスポックのレビュー・感想・評価

アド・アストラ(2019年製作の映画)
3.5
宇宙の広大さと唯一無二の生命が存在できる稀有な環境を有する地球の奇跡的な存在とその奇跡の地球に知的生命体の人類として生まれた幸せと広大過ぎる宇宙の中での孤独感を改めて感じさせてくれる映画。

いまさら説明しなくても私達の宇宙は何千億個もの自分で燃える太陽の様な恒星で造られている銀河が何千億個も存在している。
恒星が何千億×銀河が何千億=存在している恒星の数は無限個数。
その無限個数の恒星の周りに地球や火星の様な生命が暮らせそうな惑星が9〜10個あるとしたらもっと無限個数の数え切れない生命が存在できる惑星がある。
その数えきれない惑星がまた生命が存在可能な環境を持つ月のような衛星を数個従えているとしたら…地球以外の生命体が存在する確率は無限の可能性があるはずだ。
だが物理的な移動手段では何千兆個もある恒星の中の1番近距離の太陽系の隣の恒星に行くだけでも数百年もの長時間の宇宙旅行が必要だ。つまりいくらこの宇宙に生命が無限に存在している可能性があっても遭遇できる可能性は皆無である。

地球人とはそんな孤独で稀有な存在であることが解っているのに人類は自分自身で滅亡する行動ばかりを突き進んでいる。
全地球核戦争が起ころうとも、温暖化の様な全地球規模での環境破壊で生物が死に絶えようが、この奇跡の惑星の地球は滅びない。
今たまたま存在している地球生命体の一部だけが死に絶えるだけの事である。
地球の歴史の時間感覚では瞬きしている間もないような地球にとってみれば短い経過時間である数千年から数万年の時間経過が有ればもとの様な地球環境に戻って何事も無かった様に綺麗な蒼い海と青い空に戻る。
その綺麗に浄化された地球の環境に次は恐竜や人類以外のどんな地球生命体が住み着くかはこの広い宇宙にとっては取るに足りないどうでもよい出来事であろう。
この様な壮大な映画を観る度にどうやってもあと数十億年は潰れない頑強な地球に、産業革命以後のたった200年だけだが奇跡の様に高度に進化した奇跡の様な知的生命体である人類達が、ポジティブな事だけに労力を使って細々と進化を続けていく方法がないものかとしみじみ考えてしまう。