眼鏡の錬金術師

アド・アストラの眼鏡の錬金術師のネタバレレビュー・内容・結末

アド・アストラ(2019年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

近未来宇宙SF。

主人公は軍に所属する男ロイ。なにやら作業中に謎の電気嵐の影響で九死に一生を得る。

軍上層部からは過去に知的生命体を探して旅立って帰ってこなかったロイの父が海王星付近で生きていて、今回の電気嵐もロイの父が関係しているのではと明かされる。

そして極秘裏にロイは月経由で火星基地へ向かう任務へ就くこととなる。
その旅路は超デンジャラス。月面は野盗がはびこり、移動だけで死人が出るレベル。火星へ向かう途中で救難信号を出してる船に潜入したら実験動物に襲われてやはり一人死亡。
火星にて父へメッセージを送るが、途中でバイタルサインに異常が現れ、作戦から外されてしまう。独断で海王星行きの船に乗り込んだことで乗組員全員が死亡。

そして海王星にて父と再会、船を破壊して帰還する展開。父の船のなかでは内紛が起きていたらしい。一人生き残って生活してたっぽい。父はしきりに仕事があると帰りたがらなかったが、なんか成果上がってたのか?結局知的生命体は見つかってないっぽいし、迷惑なマッドサイエンティストって感じだったな。

最後の隕石群を板金一枚で通り抜けるシーンとか、核爆発の爆風を推進力にして地球に帰るとか、物理詳しくないけど現実味に乏しくて少し冷めてしまった。

しかも命令違反したことには変わり無いのに最後少しハッピーな感じで生きてるのも少し違和感があった。

ファザコンが宇宙の果てまで父を追っかけ、自分の胸のつっかえが取れるまでの話かな。
意外に内面が描かれることが多く、全体のデザインもすごく辛気臭い。

全は一、一は全の精神で広大な宇宙とロイの中の宇宙を描いているということなのか。
海王星往復の現実味の薄さから、この話自体ロイと父との確執を描いた比喩的な演出だったんじゃないかとさえ思わされる。ライフオブパイみたいな、真偽不明の冒険譚って感じがする。
ホントに行って帰ってきたのか?そもそも宇宙である必要があったのか、良くわからん作品だったかなと。
別に地球と海王星が、ニューヨークとジャングルの奥地とかに代わっても良かったのではと思った。

いずれにしても父との再会後にもっと驚かせて欲しかったな。
オープニングは良かったね。