このレビューはネタバレを含みます
素晴らしい。宇宙を舞台にしてるが、内容はとても内省的かつ普遍的。父と対峙する旅の中で主人公が自らと向き合い、OPの独白と対になるEDの独白にたどり着くまでのお話。
父との再会シーンがどこまでも辛いが、自らの鏡像である父を見て、過去の自分との決別を選ぶ。決して派手なエンタメに寄りすぎず、静かに心に染み入る。評価が低いことが信じられない。間違いなく傑作。
OP直後に謎に一瞬挟まれるブラピの落下シーン(冒頭のサージによる宇宙からの落下シーンとは別)のことを考えると、もしかしたらこの映画全体は落下による死の前に見た一瞬の走馬灯と贖罪の心の旅だったのではとすら思える。そう思えば宇宙周りの少し無理のありそうな描写も個人的には納得できる。