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アド・アストラのvenom9のレビュー・感想・評価

アド・アストラ(2019年製作の映画)
3.5
本作、公開前にあまり情報がなくって謎めいた思わせぶりなプロモーションが行われていた記憶があります。いざ鑑賞してみると、特に謎めいた話ではなく、割と予想できる展開ではありました。
一方で、宇宙を題材としたSF作品としては、真空である宇宙空間は本来そうなのですが、極めて静かに進行します。旅の途中、立ち寄った先でいろいろ事件やトラブルはあれど、そこまで派手なものではありません。
やがて主人公は目的地である海王星に辿り着きますが、そこではまさかの人物が生活していました。この方、10数年もどうやって生き延びたのか不思議です。作物の栽培や魚などの養殖をしているような描写はありませんでしたが、何ら生産活動なく備蓄食料だけではもちませんよね。
海王星はこれまでボイジャー2号しか到達したことがなく、ネプチューン・オービター計画も停滞している様子。ボイジャー2号は打ち上げから海王星到達まで12年でかかっています。
有人惑星探査は途方もなく時間を要し、生還できる保証がない過酷で孤独な旅です。本作は少なくとも孤独な旅であることはうまく表現できていたと思います。
ある意味自分探しの旅でもあり、本作は宇宙を舞台にしたロードムービーと言えなくもないですね。
(2019年9月 劇場で鑑賞)
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