桃子

アド・アストラの桃子のレビュー・感想・評価

アド・アストラ(2019年製作の映画)
4.0
SFは西部劇ほど絶滅危惧種ではないのだが、そう頻繁に見られるわけではない。しばらく映画館通いから遠ざかっていたせいもあり、最後に見たのは「パッセンジャー」だ。もう2年も大画面でSFも見ていなかったのかと反省した。今年「ファーストマン」を見ているけれど、あれはSFではなかったし。
意外なことに、ブラピは宇宙飛行士役はこれが初めてらしい。たしかに、宇宙飛行士にぴったりの雰囲気とは言えないかも。それでも押しも押されもせぬハリウッド映画俳優であるから、スタイルも演技も様になっている。流石と言うしかない。
例によって予備知識ほぼゼロで見に行った。短い予告編を見て、SFであることとブラピが主演であること、この2つの理由で映画館に行くことを決めた。結果はオーライである。大画面で見ないとあまり意味がない映画だ。
宇宙のことが好きで、よくディスカバリーチャンネルで宇宙の最新知識がわかる番組を見ている。火星に行くのもタイヘンなのに、海王星とは凄いな、近未来って、何年先くらいなんだろうと少し訝かしかった。人間にとって地球の上は天国みたいな場所で、宇宙はとんでもなく過酷な場所なのに、普通に月にも火星にも海王星にも行ってしまう。ひと昔前のSFのような薄っぺらさはないものの、宇宙を舞台にするならもう少しリアリティーを追求しても良かったのではないかな。海王星まで2ヶ月半位で行けてしまうなんて、宇宙船の動力や燃料はどんなものなんだろう。
他にもツッコミ所がゴロゴロ転がっていたけれど、父と息子のヒューマンドラマに切なくなってしまったので許すことにした。
トミー・リー・ジョーンズは出番は少ないのに素晴らしい存在感だ。あと、ドナルド・サザーランドが出てるのには驚いた。ご健在で何より!
桃子

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