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アド・アストラのdaruma38のレビュー・感想・評価

アド・アストラ(2019年製作の映画)
3.2
広大な宇宙空間での物語。だが、内面の葛藤を主題とした作品である。密室でのシーンも多く全く予想外であった。

伝説の宇宙飛行士である父の後を追っていくロイ。筋書きどおりの進行である。念願の父と対面してから、父の謎が解き明かされるかと期待したが、ぼんやり観ていたからか、はっきり判らずじまい。まさか自分の身近なことを大切に!というだけではないだろうし。

映画の1シーン。
火星での精神テストで不合格となったロイが精神を落ち着かせるため入った部屋に注目。70年代映画のソイレントグリーンで老人が安楽死のために入る部屋と同じく、地球の自然を壁に投影しているもの。時代は変われど発想は変わらない。

全編、往年の宇宙映画を観ているようであり目新しいところが少ないが、唯一、地球への帰還劇は、物理法則無用で突っ込み所満載のぶっ飛んだものだった。このため映画が安っぽくなったのも否めない。
その中で、ブラッド・ビットの沈着冷静さと強い意志を秘めた演技が宇宙飛行士の役に合っていた。
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