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麻雀放浪記2020のDickのネタバレレビュー・内容・結末

麻雀放浪記2020(2019年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

❶マッチング:消化不良。
➋本作の主役の「坊や哲」(斎藤工)は、オリジナルの『麻雀放浪記(1984)』で真田広之が演じた主役と同名である。
しかし、中味も演出方法も全く異なっていて、オリジナルのキャラを借用した別作品である。
➌本作の脚本には全く乗れなかった。
①坊や哲が1945年の敗戦直後の東京から、2020年の東京にタイムスリップする。
②トリガーとなったのは、役満の王様で一生に一度出会えるか出会えないかの貴重な役「九蓮宝燈 (チューレンポウトウ)」を達成した途端に雷が落ちてスリップする。
③坊や哲は最後にもう一度これによって、無事元の世界に戻ることが出来る。目出度し!目出度し!(笑)
❹坊や哲が飛び込んだ2020年の東京は、第三次世界大戦が勃発して日本が再度敗戦国になっていた世界だった。それにしては被害が少なすぎる。核全盛時代の戦争では、人類が滅亡してもおかしくない。おかしいのは脚本であると思う。
❺予定されていた「2020年東京オリンピック」など出来る筈がないが、それに代わるものとして、「麻雀五輪世界大会」が開催されることになった。こうなると、もうコメディである。ブラックユーモアの世界である。
❻チラシや公式サイトには、「壊れたニッポンの姿。少子高齢化に伴う人口減少、マイナンバーによる過剰な管理社会、AI導入がもたらした労働環境破壊、共謀罪による言論統制・・・国が掲げる、輝かしい明日は何処へ消えてしまったの?」とあるが、画面からはそんなことは伝わってこない。お題目だけでは共感出来ない。
❼コメディやブラックユーモアであるなら、それにふさわしく、羽目を外して、麻雀の面白さをネタに、観客を爆笑の渦に巻き込んで欲しかったと思う。
❽大いなる期待外れだった。
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