湯っ子

群山:鵞鳥を咏うの湯っ子のレビュー・感想・評価

群山:鵞鳥を咏う(2018年製作の映画)
4.0
作中のふたりが飲んでる場面がすごく好きで、いいなあって思いながら、帰りにはものすごく久しぶりにひとりでお店入って飲んじゃおうかなと思っていた。新宿で飲むのもひとりでお店入るのもそれが昼間なのも、ものすごく久しぶり。いちおう家庭の主婦でもあるのに、年の瀬に何してるんだって気持ちもほのかに。だけど私は30日から3日まで仕事なの。息子らは友達と飲みに行くと言うし、旦那は…、まぁいいっしょ、ともろもろ自分に言い訳しながら。お店の扉を開ける時は少しだけ緊張したけど、すぐに馴染んだ。なんか泳ぐのとか、自転車に乗るのと似てる。

どうやらこの監督は、夢と現実のはざま、あいまい界を描いているのだと思う。そして、新鮮だったのが、映画の前半が夢の世界で、後半が現実の世界らしいということ。夢の世界の幽玄さにも惹かれるが、現実世界のダラダラとした面白さが良かった。まさにあいまいな三角関係ともいえないほどの関係、酒場での駄話、好きだなぁ。これはある男と女が結ばれそうなのになんとなく結ばれなかったお話、そのなんとなくの部分を「これとこれとこれだよ」とわかりやすくなく見せてくれた映画のように思った。ビール二杯飲んでの感想なので、ご勘弁。昼酒は年増には効くのです。
湯っ子

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