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群山:鵞鳥を咏うのTAMUのレビュー・感想・評価

群山:鵞鳥を咏う(2018年製作の映画)
3.7
大阪アジアン映画祭最終日。
邦題は『群山:鵞鳥を咏う』て読めないw
ガチョウをうたう?

詩人(ニート)のユンヨン(パク・ヘイル)が離婚直後のソンヒョン(ムン・ソリ)とソウルで偶然再会し、勢い余って母親の故郷、群山(発音的にはクンサン)に訪れて、てな話。

製作、脚本、監督は『慶州』、『春の夢』のチャン・リュル。(個人的に慶州見てないので、どうしても見たい💦)
となれば、謎めいた展開や、大事件が起きることは無い。

占領時の日本の面影が今も多く残る群山を舞台に、群山で出会う人たち(チョン・ジニョンとパク・ソダムは福岡から戻った在日朝鮮人役)との交流を通じて、男女の心のずれをユーモラスに描く。

つまりは、群山を無口なニートが一日中ウロウロして、見たり聞いたりした話と言っても過言では無いw
但し、それをやるなら、やっぱりパク・ヘイルしかいないよねー。

ムン・ソリに「あなた、いつも同じ服を着てるわね?」て言われて、「…おぉ…」て返すだけのパク・ヘイル(複雑な表情込み)が見れただけで満足w

ちなみに、背景に在日、朝鮮族が感じている差別的状況も描かれているが、説教的要素は無く、また押し付けがましい町おこし映画と異なり、深い味わいと余韻を残してくれる。

見終わって、群山を調べたり、韓国人なら誰でも知ってるらしい朝鮮族出身の詩人尹東柱(ユンドンジュ)を調べたり、贅沢な日曜の午後を過ごせました。
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