シネマノ

LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯てのシネマノのレビュー・感想・評価

3.5
『騙し合いと罵倒が心地よく最後まで展開する、低予算の良作』

低予算で飽きさせない、気軽に観れるサスペンス。
邦画では何年かに一回はこのような作品が生まれて、よくチェックしてきたが、
本作もまた最後まで二転三転、あざ笑い続ける。

ラブホテルでデリヘル嬢(三浦萌)と昼間からしけこむ刑事(三上博史)。
そこに突然踏み込む刑事の妻(酒井若菜)。
最悪の修羅場で起こる、最悪の事件。
全編隠し撮り風だからこそワクワク感は増し、役者陣も楽しそうに演じる。
演劇などでありそうだが、この感覚は映像でしか実現できないだろう。

正直に言えば、ストーリー展開と伏線などは過去のこうした手の作品群には及ばない感がある。
しかし、本作にはデリヘル嬢を演じた三浦萌の熱演(?)がある。
三上博史を相手に「ヘンタイ腐れち○ぽー!!」と絶叫するシーンは笑えた。
その他にも、ナチュラルな演技で汚い言葉が飛び出しまくる。
負けじと貫禄を見せつける酒井若菜の演技も相まって、ある意味で見応え抜群であった。

にしても、三上博史はかっこいい。
みっともないのに、かっこいい。
タイトルから気が引けてしまう人もいるかもしれないが、ポップな内容なので気楽に観れる。
学生時代だったら、友達と観ていたかもしれないなーと思いながら最後まで楽しんでいた。
そういえば、同じテイストの映画で観た【恋の渦】が最高に面白かったな、と思い出した。
暇な休日、もう一回見直してみようか。
お供に酒をしこたま買い込んで。
時にはこんな映画もいい、こんな映画がいい。
忘れたころに改めて鑑賞する本作の最後は、きっと2度見してしまうんだろうな。
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