真魚八重子

足跡はかき消しての真魚八重子のレビュー・感想・評価

足跡はかき消して(2018年製作の映画)
4.5
『ウィンターズ・ボーン』のデボラ・グラニク監督の作品。少女が年齢のわりに家族のことで苦労を重ねるというテーマは似ている。
この主人公の父親は元兵士で、PTSDのため社会生活が送れなくなっている。妻も亡くなっており、そのため娘を連れて森の中でひっそり暮らしている。だが目撃情報から、森での生活は禁止されているためホームレス用の居住地にひとまず住むことになる。農作業をしながら社会復帰を目指すが、父親はそこでも暮らせず、娘を連れて逃亡を図る。

PTSDの治療に効果がないと見切りをつけて、山籠もりになったのだろうか。娘ももはや自分の行く道を、自分で決める年頃になってきている。でも現状でも、父親の巻沿いともいえる生活の延長にあって、彼女が普通の生活を送っていたらどうなっていたんだろうとも考える。個性的な生活で、きっと後悔はないだろうけれども。
真魚八重子

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