カニゑモン

アマンダと僕のカニゑモンのレビュー・感想・評価

アマンダと僕(2018年製作の映画)
3.5
まず学生の身として金曜レディースデー950円に感謝。個人的には、少し申し訳なさすら覚えるほど、値段以上の価値があったと思う。


自分の家族が死んだら。。。縁起でもないが、必ずその時はやってくるしそれは数時間以内かも知れない。当然のようにそんなことが毎日誰かの身に起きる。大事な人を突然失う。自分ではどうしようも出来ないことに絶望し世界と自分の距離が果てしなく遠ざかる。この作品では、残された人々が、少しずつ互いの感情と向き合って歩み寄り、強く生きていく過程を覗くことができる。


苦難でいながらも、劇中音楽は穏やかで全体の色彩も豊か。小説を読むような感覚で観れた。物語のあらゆる要素が、今のパリを掻い摘んでいて、しっかりパリで撮る意味を裏付けている。


御涙頂戴的なジャンルではあるが、描き方がとても丁寧なので、考えを巡らせながら味わうことが出来る。私自身、半面泣けるだろうと思って臨んだわりにホロリ程度だったので、単に消費されるだけの作品ではないと判断した。家族と観るより一人で観るのがオススメかもしれない。