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詩人のmingoのレビュー・感想・評価

詩人(2018年製作の映画)
3.6
中国の80.90年代の経済改革の最中に詩で経済を変えようともがく主人公を通した映画、予想と反して遊びのある退屈とは程遠く、少し肩透かし。ジャームッシュはパターソンで詩で生活を描いてたのに対し、本作は生活を詩で描く。作品の密度、作家性の濃淡はそこに現れたか。
ただ本作の良さは2億円を投じたオープンセット、むせ返る炭鉱の埃、大浴場の湯気、どれも素晴らしい。それと特筆すべきは赤い毛糸を通した夫婦の愛情の描き方。糸の綻びは愛情の綻び。あざとさを感じつつも、ソンジアの母性に男なら腰砕け。ラストの白線をなぞる演出が良かっただけに、ひと押し足りない作家性だけが残念だ。
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