マグロ

ザ・リバーのマグロのレビュー・感想・評価

ザ・リバー(2018年製作の映画)
3.4
恵まれていないことを知らない幸福。

カザフスタンの人里離れた砂の土地。
そこに住む両親と5人の息子たちは独自の文化を保ちながら慎ましく暮らしいていた。
しかし、都会からいとこが最新ゲーム機を携えてやって来ると、子供たちはそれに興味津々。保ち続けていた家族の均衡が崩されてゆく……。

シンプルに面白かった。
物語としては田舎ものによくある、「うぢの村に都会人がやってきたべ!!」のレベル100みたいなやつ。

指鉄砲サバゲーや川遊びなどクソおもんなさそうな遊びをしていた少年たちがテレビゲームの面白さを知ってしまったらもうね……。
親戚の子はわかりやすく都会の権化。ITを機器を携え、銀色の服を纏い、中性的な出で立ち。

カザフスタンのロケーションも最高。
一面に広がる砂色に、透き通った川が何とも美しい。話の運びはかなり緩慢だったが、画が美しいので苦痛にならない。

高い幸福度を誇るブータンが、近代化により世界中の情報を得るようになった途端幸福度が下がったという話は有名ですが、まさにそれみたいな内容。

幸福の認識は主に他者との比較によって行われるので、あれ?こいつおれより恵まれてない?と感じたが最後。
絶対的な幸福などはあり得ない。

というのが子供目線の話で、父親目線だと
「人工的で歪な環境は容易く壊れるぞ」という教育哲学みたいな話??
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