わっしょい

ジェミニマンのわっしょいのレビュー・感想・評価

ジェミニマン(2019年製作の映画)
3.3
もう1人の僕。

凄腕スナイパーを殺しに来たのは、クローンの自分だった。というお話。

もし、クローンの自分が目の前に現れたらと、想像してしまった。
何だかんだで劇中ではクローンの自分と和解して、自分の人生を歩むよう促す訳だけど、それと同じようにするのかなと。
クローンを道具としか見ていない悪役から解放させようという試み。
その気持ち自体はよく分かる。
それでもクローンが道具としての生き方が良いと言ったら、どのような展開になっていたのだろうというところが難しい。
「君がその生き方を望むなら、お好きなように僕を殺してくれ」とは絶対に言えない。
大半のクローンとかアンドロイドものの作品では、彼らは道具ではなく意思を持った個体として尊重すべきと説かれる。
ただ、彼らが意思を持った上で道具になりたいと望んでくれるのが、人類に取って好都合だと思う。
そこで道具になられると困る状況になったらどうすれば良いのだろうと、ふと疑問に思った。

倫理的なところを考えるのが面白くて、ついそっち方面ばかり考えてしまう。
ただ、この映画はそんな深い訳ではなく、割と頭空っぽで楽しめる系映画だった。
ちゃんと都合良く、クローンが自分の人生を生きる方向に心変わりしてくれる。
その辺の難しい課題は問題にすらならなかった。

ボーッと眺めていてもアクションシーンで楽しめる。
特にバイクアクションはかなり見応えがある。

クローンものは、テーマ的に扱いが難しいなと思った。
クローンは良いこと?or悪いこと?みたいな要素を入れるのなら、それ相応の深みが欲しくなってしまうなあ。
わっしょい

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