Kazu

堕ちた希望のKazuのレビュー・感想・評価

堕ちた希望(2018年製作の映画)
4.0

イタリア🇮🇹ナポリが舞台、
河辺に住みつく移民難民や、仕事を失った人々、仕事にありつけない人々、が寄り添って生きている。

この作品では演者がほとんど女性で、売春をしながら生計を立てる娼婦なのです。

その結果、誰の子ともわからない子供を宿し、その子供を売買する、なんとも辛い世界だ。

しかしこんな世界はさまざまな土地で行われている。
おそらく日本でも・・・

可愛いワンピースを着た少女が漁師の網にかかるそんなシーンから始まる、その漁師が唯一の男性でこの作品のキーマンです。

すぐに数年後に画面は変わり、
若い女が娼婦をしながら人身売買組織の手先として働いている、その女が網にかかっていた少女マリアだった。

マリアは少女時代に性的虐待を受け妊娠不能な身体になっていたのだが、思いがけない妊娠をするのです。

マリアは自分が身籠った事で意識が変わり彼女の生き方が変わる。子供のために生きる、生きる希望が芽生えると言えば良いのか?
ここから先は私はファンタジーと思って観ました。(事実、こんな世界からは一生抜け出せない現実があるからです)

人身売買組織の女主人に監視され、どこにも逃げられない酷悪な環境で奴隷のように扱われる娼婦たち、
妊娠40週になると、夜な夜なボートで連れ出される。
逃亡しないように隔離されるのです。
そのシーンには哀歌がバックに流れ、本当に悲しい場面です。

彼女たちには夢も希望もない、

監督はそんな女たちにも希望を持たせたい気持ちをラストに委ねたのかなぁ〜と、
私は解釈しました。

私の知らない世界、
そう、そうかも知れない、
しかし世界では実際に現実にあるわけで関係のない事でなく、
戦争、貧困や飢餓が元で難民となり、他国で生きづらい人生を送っている人々が大勢存在することを受け止めなければならないと思っています。

暗いシーンが多いのですが、ワンちゃんや、馬も登場して、つかの間の癒しもあります😊

そしてこの作品のクレジットの後にワンシーンがあります。
必ず最後まで鑑賞してほしいです。
Kazu

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