しちれゆ

ホワイト・クロウ 伝説のダンサーのしちれゆのレビュー・感想・評価

4.0
ヌレエフ役オレグ・イヴェンコの鍛えられ削ぎ落とされた肉体が高く高く跳躍する。
目力(めじから)の強いブルーの瞳も 長く優雅な手足も全てが美しい(私はヌレエフ本人より好み!)
貧しい出自の田舎者というコンプレックスから来るヌレエフの屈折した心や ぶつけようのない怒りや苛立ち、自分自身こそが″美″であろうとした強烈な自意識をオレグ・イヴェンコが見事に演じている。モノクロで挿入されるヌレエフの幼少期 特に民族舞踊を踊るシーンが印象深い。

そして、ヌレエフの良き理解者で亡命時も手助けをしたクララが良い。大金持ちでハイクラスな家柄の女性って自分が美人じゃないことを気に病まない。堂々として自信に充ちている。でも地味な服装には実はうんとお金がかかっていて頭にしていたスカーフは多分エルメス。ジャンヌ・モローみたい。その彼女がヌレエフを気に入ったのは今でいえばBL好きとかそっち系統だったのかも。自分の美より男の美が好き、端で見てる方が好き、みたいな。

バレエの教師プーシキン(名優にして本作監督レイフ・ファインズ)の奥さんがヌレエフを襲っちゃうところは事実なのかしらん。プーシキン、おじいちゃんだから…ね笑
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