父親の愛を欲しながら、手に届きそうで届かない。
台湾の東の沖にある蘭嶼という島、台湾本島の高雄まで、そんなに遠くないようでいて子供にとっては自由に行けない距離。
最低な父親かもしれないが、父親の気持ちもわからなくはない。都会の楽しみを知ってしまった者はこうなるよね。
新任教師の見守りの視点もあって、救いの手もほどよくあるが、干渉しすぎない距離感が良い。
この教師も少年や島民と過ごす中でいろいろ経験しながら、都会とは違う人と人の交流で学んでいる感じがいい。
全体的に、感情の波もそれほど大きくないかなり地味な映画だけど(少年にとってはすごく感情揺さぶられる毎日のようだが)、いくつかある海を泳ぐシーンは、鮮やかな青い海が強烈に印象的。監督のこだわりを感じる。