虐待の証明／ミス・ペクのすいかのたねのネタバレレビュー・内容・結末

良かったです。説明的な台詞が少なく、表情や演技、演出で心情や事情を表現している所に特に好感を持ちました。

特に印象に残ったのは父親の「俺も虐待されて生きてきた、俺の時は誰も助けてくれなった。」「そんな俺から生まれた子供が大した人生を送れるわけないだろ」というシーン。

確かに虐待された過去があるというのは同情の余地はあると思いますが、だからといって他人や実の子に同じようなことをする理由にはならないよなあと改めて思いました（当たり前ですが）。また、個人的に人は「環境」で変われるものだと思うので、この親にも何か救いがあれば変わったのかもしれないなと少し考えました。

ミス・ペクと出会い、新しく家族を得ることができたジウンは恐らく親と同じ道はたどらないでしょう。学校に通い年相応の振舞いをしているシーンはとても良かったです。ただジウンにとっての実の親はまだ拘留されてるし、この物語に先があるならばミス・ペクと同様、親との関係に何かしらのケリをつける必要があるのかなとも思いました。

人は環境で変われるとは思いながら、現実のニュースなど見るとキツい話しも多く、本当に芯からダメというケースもあると思います。それでも自分の知る範囲や、手の届く範囲なら何かしら手を差し伸べられたらと思わせてくれる作品でした。