えり

ソン・ランの響きのえりのレビュー・感想・評価

ソン・ランの響き(2018年製作の映画)
5.0
まったくノーチェックだった本作、人の薦めで見たら現時点で今年のベストという勢いの作品でした。
ウォン・カーウァイの影響が強い、という話を聞いてから見たからか余計に画面の色味が「ブエノスアイレス」にそういえば似ているかな、と感じましたが、そういう点を差し引いてもこの作品は映画として素晴らしかった。
最悪の出会いをきっかけに、人と人が心を寄せ合うお話。
気まぐれに優しさを見せたユンですが、その優しさが気まぐれというよりも彼の本質であることにリン・フンが気付くまでにそう時間はかかりません。
ふたりが過ごした一夜を境に、リン・フンがまるで変貌してしまうところに恋の素晴らしさ、そして同時に恐ろしさを感じます。

終盤の展開はある意味で早々に序盤で示唆されますが、切なくも苦しい、けれどまぎれもない愛情を感じた素晴らしい作品でした。
えり

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